macOS のシステム言語は日本語のままで、特定のアプリのみメニューなどで表示される日本語を英語表記に変更する方法です。言語変更アプリの Language Switcher でも可能かと思いますが、ターミナルからアプリの設定を編集する方法を記事にしました。
※Language Switcher の最終アップデートが2011年と古いので、macOS High Sierra で正常に動作するか未確認です。
※以下で記載の方法では、Spotify のアプリでもメニューなどインターフェイスは英語表記になりますが、アーティスト名などは日本語(カタカナ)のままで変更できません。変更するには Spotify(スポティファイ)のアーティスト名のカタカナを英語に変更 を参照してください。
はじめに
今回使用するアプリは、ターミナル.app で、編集するファイルは、アプリの設定ファイルになります。
ターミナルで defaults コマンドを実行して、アプリの設定を書き換えて英語表記に変更します。
ターミナル.app の場所
アプリケーションのユーティリティの中にあります。
/Applications/Utilities/Terminal.app
アプリの設定ファイルの場所
システムファイルを編集するので、念のため設定ファイルをバックアップしてから実行してください。
Finder を開いた状態で、Finder のメニューから 移動 -> フォルダへ移動
でフォルダの場所を入力する画面が表示されるので、以下のディレクトリを貼り付けて移動します。
~/Library/Preferences/
アプリの設定ファイルの拡張子は、plist
です。
以下は、参考までに Safari、Transmit、Spotify、Virtualbox アプリの設定ファイルです。
多くのアプリの命名規則は、"ドメイン" . "会社名/開発者名" . "アプリ名" .plist となっているようですが、Virtualboxのようなタイプもあるようですね。
com.apple.Safari.plist
com.panic.Transmit.plist
com.spotify.client.plist
org.virtualbox.app.VirtualBox.plist
defaults write コマンドで言語を英語に変更
defaults
コマンドを使って、設定ファイルを編集します。
defaults コマンドは、Mac アプリの各種設定の設定値(デフォルト値)を変更するコマンドです。
アプリのメニューから辿れる環境設定で色々と変更できますが、defaults コマンドでは、環境設定に表示されていない項目(隠し機能)を編集することが可能です。
アプリの設定ファイルに言語の指定をするために、defaults コマンドの write
を使って、AppleLanguages
という項目を追加し、さらに追加した項目に値 en-US
を追加します。
defaults write アプリの設定ファイル名(拡張子無し)
追加する項目
値
といった構成になり、以下のコマンドになります。
defaults write アプリの設定ファイル名(拡張子無し) AppleLanguages '("en-US")'
上記のコマンドの アプリの設定ファイル名(拡張子無し)
を英語表記にしたいアプリの設定ファイル名に変更して、ターミナル.app に貼り付けて実行(リターンキー)すると、メニューなどユーザーインターフェイス(UI)が英語になります。実行する前に、言語を変更するアプリは終了しておいてください。
参考までに、Mac のユーティリティーアプリの PopClip for Mac の日本語表記を英語に変更する例です。
defaults write com.pilotmoon.popclip AppleLanguages '("en-US")'
英語から日本語表記に戻す
defaults write
コマンドで追加した項目 AppleLanguages
を削除するには、defaults delete
コマンドを使用します。
defaults delete com.pilotmoon.popclip AppleLanguages
defaults read コマンドで設定を確認する
Xcode で確認する方が見やすいですが、参考までにターミナル.app でも defaults read
コマンドで確認することができます。
defaults read com.pilotmoon.popclip
ターミナル.app で実行すると、英語表記に変更するために追加した項目 AppleLanguages
と値 en-US
が表示されているはずです。
AppleLanguages = (
"en-US"
);
雑記
需要があまりないかもしれませんが、
一度だけ英語表記でアプリを開きたい場合
open -n -a アプリ名 --args -AppleLanguages '("en-US")'
日本語環境で、日付を英語表記に
Sierra まで、システム環境設定...
の 言語と地域
-> 詳細...
から 書式の言語
で変更が可能でしたが、High Sierra では項目が無くなっています。
Set English language in other regions - Apple Community から以下のコマンドで変更できました。
defaults write ~/Library/Preferences/.GlobalPreferences AppleLocale en_JP
コマンドを実行後、システム環境設定...
の 言語と地域
-> 地域:日本
の項目が、日本 - 英語
になって、詳細...
-> 日付
が英語表記になっていれば成功です。
追記:Big Sur以降でアプリの言語設定を変更する方法
Macで、アップルメニュー >「システム環境設定」と選択し、「言語と地域」をクリックします。タブの「アプリケーション」をクリックして言語を変更したアプリを追加します。
詳細は、AppleのmacOSユーザガイド「Macの言語を変更する」ページのの項目「アプリケーションで使う言語を個別に選択する」を参照してください。